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自分の頭と身体で考える
養老 孟司

定価: ¥ 1,470
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おすすめ度:

発売日: 1999-09
発売元: PHP研究所
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解剖学者と武術家という、一風変わった取り合わせの2人の対談をまとめたものである。養老孟司は、東京大学医学部教授を退官後、北里大学で教鞭を執る解剖学者である。また甲野善紀は、剣道などの武術を通して、精妙な古伝の術理と技法を探求している。お互いの専門分野は異なるが、どちらも扱っているのは「身体」である。古武術と解剖学の視点からそれぞれ世の中のさまざまな事象を見てみると、実におもしろい考え方ができるものだと驚かされる。 大多数の日本人(著者らは全体の9割と述べている)は意外にわからないことを「わかったつもり」で生活している。そして、高名な人物が「白」と言えば「白」であるし、「黒」と言えば「黒」である、というような風潮も見られる。そんな大多数の「何も考えていない」人に、もっと物事を自分の「方法論」で考えてみよう、と呼びかけている。教育、政治、環境問題、医学などにまつわるさまざまな問題が、彼らの「方法論」によってバッサリ切られていく。手厳しい意見も多いが、ハッとさせられるのも事実である。 そしてさらに特筆すべきは、物事を表現する言葉がとにかく豊富なことである。1つの事象を説明するのに、次から次へと言葉が飛び出してくる。養老・甲野の真骨頂ともいえるだろう。(冴木なお)
素晴らしい対談
植島氏「僕はあまり対談が好きでない。いくら面白い
組み合わせでも、話し言葉のせいか、相互に遠慮がある
せいか、なんとなく内容がスカスカな感じがするからだ。
普通の対談は1+1が2にもならない。しかし、本書の二人
の組み合わせは例外だろう。・・・」
なるほど。確かに遠慮もあるし、落ち着いてまとめる
ことが出来ない、流れの中で言葉を連ねていくので、
どうしてもスカスカ気味になるのだろう。養老さんと
甲野さんは、それだけ凄いという事だろう。
話の引き出しが、しっかりしている、安定している
ような印象を受けた。養老さんは昆虫や解剖学の話に、
どんな話題からでも関連付けて、面白く話すことが出来る。
甲野さんも、どんな話題からでも武術や身体の話へ絡める
ことが出来る。その分野を、深く時間をかけて見つめてきた
からこそ出来る芸当だろう。
頭の使い方、身体の使い方
「専門は?」と聞かれれば、
どちらも「身体のこと」と答えるであろう、
解剖学者・養老孟司氏と武術家・甲野善紀氏の対談集。
こうしてお二人を並べると、
不思議な組み合わせだなあ、という感じもしますが、
基礎体力とは、
「筋力や心肺機能といったいわゆる体力なのか、
それとも身体運用法の巧みさなのか」と問う甲野氏と、
「僕は科学は信じてませんよ。科学は方法論ですから」
と述べる養老氏の話は、
頭と身体を「どう使うか」という点において重なります。
遠慮も壁も感じさせない、
しっかりかみ合っている良い対談集だと思います。
“判断基準は個人の美意識”、これすごくわかる
「解剖」と「武術」という、ともに“身体(からだ)で考える”ことを知っている二人の対談。
養老先生からは溜飲が下がるような名文句が続出。曰く、
“後になるほど良くなるという進歩主義は怪しい”
“世界中の問題にすぐ首を突っ込みたがるのも、世界にまったく関心がないのもアメリカ人”
“なぜか最も反体制的なものが、体制的になる”
“「ウォー・マニュアル」を「日米防衛協力ガイドライン」と訳すのは新聞の詐欺”
“人の人生ってせいぜいテレビゲーム程度の複雑さ”
二人の共通の敵は日本の共同体であるが、一番共鳴したのは、“今の世の中、判断基準は法律やら規則じゃなく個人の美意識”って甲野氏の言葉。“全ては自分自身のため”ってのもそう。世の為、人の為っていいながら、世のせい、人のせいにするのが日本共同体だから。
この本、「こういうまともな考え方をする人たちもちゃんといるんだな」って、少し救われる気持ちになれる。
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