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重力ピエロ

重力ピエロ
伊坂 幸太郎
重力ピエロ
定価: ¥ 1,575
販売価格: ¥ 1,575
人気ランキング: 45252位
おすすめ度:
発売日: 2003-04
発売元: 新潮社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。 著者は、新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『オーデュボンの祈り』で言葉を話すカカシを登場させ、『陽気なギャングが地球を回す』では、特殊能力を持ったギャング団一味を軽妙なタッチで描いてみせた伊坂幸太郎。奇想天外なキャラクターを、巧みなストーリーテリングで破綻なく引っ張っていく手法は、著者の得意とするところである。本書もまた、春という魅力的な人物を縦横に活躍させながら、既存のミステリーの枠にとらわれない、不思議な余韻を残す作品となっている。 伊坂流「罪と罰」ともいえる本書は、背後に重いテーマをはらみながらも、一貫して前向きで、明るい。そこには、空中ブランコを飛ぶピエロが、一瞬だけ重力を忘れることができるように、いかに困難なことであっても必ず飛び越えることができる、という著者の信念が感じられる。とくに、癌(がん)に冒されながらも、最後まで春を我が子として支援する父親の存在が、力強い。春が選んだ結末には賛否両論があるに違いないが、「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」と春に語らせた著者のもくろみが成功していることは、すがすがしい読後感が証明している。(中島正敏)

若い人には受けるかのかも

帯に書かれている編集者の絶賛ほどではないと思いました。
同時代的文学って、若者世代の軽さってこと?
会話は明らかに村上春樹の影響受けているって感じですね。
私は好きですよ。
まあ、ミステリーとして読むより、複雑な現代社会における家族のストーリーって感じでしょうか。でも、やはり食い足りない、軽いと思います。

五木寛之さんが直木賞の選評でこう書かれています。
「私自身は、こういう作品は苦手である。しかし異色の才能という点では、一目おかざるをえない。むしろ直木賞など受けないほうが、伊坂さんの栄光というものだろう。」

親子、兄弟の絆>ミステリー
この世は悪意を持った人間が犯罪を起こそうと思えば簡単に起こせるほど隙だらけで、
運悪くその被害者となった善意のみをもついわゆる善良な市井の人はまったくの
やられ損という不条理に満ちた世界である。
凶悪な犯罪が起きるたびにそんなことを考えさせられる。

この作品の主人公である家族もその凶悪な犯罪の被害者である。
しかしながら、被害という「重力」に地面に叩きつけられることを拒否して明るく生きる。
あたかもサーカスのピエロが笑いながら空中ブランコにいどむように。
そしてその不条理にある形での落とし前をつけるのだが、これにある種の爽快感がある。
「オーデュボンの祈り」もそうだったが、この作品世界に住めたらシアワセなんではないか
と思わせるものがある。

ミステリーの体裁のようだが、「犯人探し」という意味では、犯人も動機も誰の目にも明らかな
伏線が張られている。しかし主人公は終始一貫して鈍感で、全然気が付かない。
そこがこの作品の企みの一つというか、愛すべき点の一つだと思う。

これから読む人は、その前に「オーデュボン」を読んでおくことをお勧めする。

伊坂ワールド、もう少し知りたくなりました。
ついに読みました。
いや、絶賛されるわけがわかりました。

伊坂作品デビューは『ラッシュライフ』でした。斬新だけど、「好き」って感じじゃないなぁと思いました。次に『オーデュポンの祈り』を読みました。ミステリというよりファンタジー要素をもっているような感じがして、「好き」になりました。『チルドレン』を読んで、こんな感じかぁと思いました。ここで伊坂さんをわかったつもりだったんです。(なんと傲慢な!)
そしてこの『重力ピエロ』だったんです。

なんだか、同じ作家さんの作品だとわかるのですが、でも趣きが結構異なっていると感じました。ちょっと意外でした。確かに『重力ピエロ』が一番よいかもです。個人的にも、そして万人にもそうなんだろうと予測できるよさでしょうか。
逆にいうと、この作品が微妙な人は、他の伊坂作品も微妙かもしれません。あくまでも私の視点dふぇすけど。

この作品を読んで、初めて伊坂作品のつながりを知りました。登場人物の重複登場です。面白いです。
やっぱり殺人やセックスを切り離せないですが、非常に効果的に感じました。ラッシュライフは心地よくなかった。でもこの作品は悪くない。オーデュポンの祈りほど不可解でもない。

途中から、頭が勝手に推理を始めました。当たった点も違った点もありましたが、それでも「あぁ、やっぱり」っていう感情が起こらなかったんです。予想通りの結果でも、それをうまく書いている。そんな感じでした。



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