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ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)
村上 龍

定価: ¥ 560
販売価格: ¥ 560
人気ランキング: 84486位
おすすめ度:
発売日: 1998-04
発売元: 幻冬舎
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

文体とパスの精度
ロシアンマンボという表現が秀逸ですね。

作者が読者にイメージさせたかった映像、喚起させたかった感情をこれほど正確に射抜ける言葉はそうないのでは?

同じ世界観の別の作品
前作「五分後の世界」と同じ世界で展開する別のお話です。前作と同じ登場人物での後日譚ではありませんので、それを期待して買おうとしている方はご注意を。
作品としては同じ軸の上にあり、魅力はいささかも落ちるものではありません。相変わらず徹底した取材による描写は凄まじいものがあります。村上龍さんは類まれな努力家であり、知的好奇心の充足に対しての意欲が人並みはずれて旺盛なのだと驚嘆するしかありません。情報を詰め込むだけでなく、消化して自分の文章にして、なおかつ主題から逸脱しないでこれだけ書き込める力は驚異的ですね。

小説の中では感染力、致死率共に驚異的に高い「最悪」なウィルスという形で、短期的で避け切れない「危機」を発生させています。圧倒的かつ驚異的な速度で進む危機の象徴としてウィルスを使っているのです。
小説中で語られるこのウィルスに感染しても生存するための条件こそ、現実のこの国に暮らすわれわれ一人ひとりに求められている事なのではないかと感じて、背筋に冷たいものを覚えました。
現実はウィルスほど劇的でなく生活習慣病的であるだけ、気づいたときには手遅れという
事かもしれません。「危機感」そのものをわれわれは持てるのでしょうか。

「五分後の世界」の続編
「五分後の世界」の続編、パラレルワールドものである。
とは言っても同じ世界観の上で、別の物語が展開する。

しかし「伝染性致死ウイルスの蔓延」という、
パニック映画ともゲームともつかない小道具を
導入してしまったばっかりに、
「もうひとつの日本」の甘い魅力も迫力も
半減してしまっていることは否めないであろう。



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