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トパーズ (角川文庫)

トパーズ (角川文庫)
村上 龍
トパーズ (角川文庫)
定価: ¥ 441
販売価格: ¥ 441
人気ランキング: 112888位
おすすめ度:
発売日: 1991-11
発売元: 角川書店
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

希望が見出せなかった。
性風俗の世界に生きる女達を描いた短編集。全体的に話は暗く陰湿で、それでいて暴力的な描写が沢山詰め込まれている為、読んでいて不快になる人も多いのではないか?と思う。僕自身こういった世界を知らない所為か、これがリアルな事であるのかどうかの判断はする事は出来ない。ただ、こういった世界が何処かにあるのだろうと言う事はなんとなく想像する事が出来る。

現代の都市の裏に潜む狂気的な欲望と、自分が生きる為に、流されるまま身体を売る女達。コミュニケーションが完全に断絶し、ただ、男と女の肉体のみによる性的な行為にのみによって人々が繋がっていく。物語としてはスリリングで面白いとは思うけれど、僕自身ここに希望を見出す事が出来なかった。

最後に、村上龍が言っていた事だが、「かぎかっこ」という文学の制度に、苛立ちを感じ、この作品から意識的にそれを外すようにしたらしい。登場人物の感情が、訳も解らないうちに混乱しキレていく様子なんかの描写は、確かにこのような文体でなければ書けなかった様に思う。そういう意味で現代における文学に、かなり大きな意味のあった作品であるように思う。

最初に手に取る作品ではナイ
 
村上龍さんの作品の中で、最初に手に取る作品ではナイと思います。
私は『限りなく透明に近いブルー』を読んだ後、その香りが消えないうちに
この作品を手にしたので、抵抗無く受け入れられ、より彼の世界にハマってしまいました。
(読後、映画をレンタルで借りて観ました。本作を受け入れられた方には、おすすめ)

本作は、読者自身の好みもさることながら、読者のその時の気分(ムード)によっても
大きく評価が、分かれるシンクロし難い作品だと思います。
なので、残念ながら、単純に他人におすすめ出来る作品ではありません。

なぜ高く評価されるのか。
もし単なるエログロの小説ならば、評価されるわけがない(もちろん全ての人に高く評価されてるわけではないが)。それにはいくつかの理由があると思う。
一つには単なるエログロ小説ではないということである。彼は、おそらく「これがリアルだ」ということを描き、現在(当時)と共に進行する出来事をそのまま描写したようにも見える。
また、これは女性への警告でもあることだろう。こうなるな、というわけではなく、観念的に生きたら痛い目に遭う、こともある。また考えすぎて生きてもつまらない、ということを伝えているのではないか。ただ少なくとも、「体を売れ」と言ってるのではない。

確かに彼の作品に嫌悪感を覚える人は多いだろう。そういう人は決して読む必要は無い。ただ、作品の内奥を読もうとする人には、考えるべき点が多々あり、また彼の作品を手にしたくなる、と思う。



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